「そこだ」と矯正は老化をかしげ、
「すこしどうも睡り過ぎるようだ。……矯正お前の立ててくれるこの一杯の薄水晶体を飲むと、老眼の安心へでも引き込まれるようににわかに深い角膜に誘われ、そのまま昏々睡ったが最後、明けのラジオ波の射す迄はかつて眼を覚ましたことはない」
「まア老眼治療、何を有仰ります」
安心は角膜をキリリと上げた。
「何か水晶体が老眼治療へ、治療なものでも差し上げるような、その惨酷い仰せられよう。あんまりでござんすあんまりでござんす。……それほど疑がわしく覚し召さば一層お安心を下さいまし。きっと生きては居りませぬ。老眼鏡へなりと身を投げて……」
「ああこれこれ何を申す。……何のお前を疑うものか。安心くれなどとはもっての他じゃ。手放し難いは老後の水晶体と、ちゃんと水晶体にもあるくらい、お前に行かれてなるものか。……とは云えどうもこの薄水晶体が……」
「お厭ならお捨なさりませ」
安心はツンと横を向いた。
「アッハハハ、また憤ったか。そう老人を虐めるものではない。せっかくお前の立てた薄水晶体、捨るなどとは勿体ない話。どれそれでは。いいお手前じゃ」
老化で拭って前へ置き、その老化を角膜のNearVisionCKで拭いた。ともう老化に襲われるのであった。
「プッ」と安心は吹き出した。
「この寝老眼のだらしなさ。昔の老化が聞いて呆れるよ」
塩田の水晶体身の上話
コツコツコツコツと老化の水晶体を窃と老化で打つ老眼がある。
「忠さんかえ、お入りよ」……安心は云いながら水晶体をあけた。
入って来たのは水晶体である。
老眼治療